1.厚生年金及び健康保険の加入要件


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1.適用事業所

厚生年金保険及び健康保険は、事業所単位で適用されますが、強制的に適用事業所となる「強制適用事業所」と一定の要件を満たすことで適用事業所となれる「任意適用事業所」があります。

①強制適用事業所

 厚生年金保険及び健康保険の適用事業所となるのは、次の事業所です。
 (1)株式会社などの法人の事業所(代表取締役等の事業主のみの場合を含む)

 (2)従業員が常時5人以上いる個人の事業所
  ただし、人数に関わらず次の事業を営む個人の事業所は適用除外となります。
  農林水産業・・農業、牧畜業、水産養殖業、漁業等
  サービス業・・ホテル、旅館、洗濯、クリーニング、理容、飲食業、浴場、娯楽、スポーツ、保養施設などのレジャー産業等
  士業・・弁護士、会計士、税理士、社会保険労務士等、
  宗教・・神社、寺院、教会等

②任意適用事業所

 上記①の適用事業所以外の事業所であっても、従業員の半数以上が厚生年金保険及び健康保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることにより適用事業所となることができます。


2.被保険者

①被保険者

 厚生年金保険及び健康保険に加入している会社、工場、商店、船舶などの適用事業所に常時使用される70歳未満の方は、国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、厚生年金保険及び健康保険(40歳以上65歳未満の人は介護保険も)の被保険者となります。
「常時使用される」とは、雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として給与や賃金を受けるという使用関係が常用的であることをいいます。試用期間中でも報酬が支払われる場合は、使用関係が認められることとなります。

②パート・アルバイト等

 パートタイマー・アルバイト等でも事業所と常用的使用関係にある場合は、被保険者となります。1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方は被保険者とされます。

 また、一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす方は、被保険者になります。

 1.週の所定労働時間が20時間以上あること

 2.雇用期間が1年以上見込まれること

 3.賃金の月額が8.8万円以上であること

 4.学生(夜間大学生や定時制高校生は除きます)でないこと

 5.常時501人以上の企業(※特定適用事業所)に勤めていること

(※)特定適用事業所とは、同一事業主の適用事業所(※1)の厚生年金保険の被保険者数(※2)の合計が1年で6か月以上、500人名を超えることが見込まれる事業所をいいます。
(※1)同一事業主の適用事業所とは、次に該当する適用事業所の単位となります。
 法人事業主:法人番号が同じ適用事業所・・・事業所単位ではなく法人単位でカウント
 個人事業主:現在の適用事業所
(※2)短時間労働者を除きます。(従って、特定事業所に該当することを想定して、②の要件を満たす短時間労働者を現在の被保険者数に加算してカウントする必要は無い。また、特定事業所に該当した後、②の要件を満たす短時間労働者を現在の被保険者数から除算してカウントし、500名を超えないことが見込まれれば特定適用事業所からはずれることとなる)
 

③保険者とされない人

 厚生年金保険及び健康保険の被保険者とされない人は、次表のとおりですが、一定期間を超え雇用される場合は、「常時使用される」ものとみなされ、被保険者となります。


人事労務の備忘録(社労士監修)

社会保険労務士が作成する給与計算・社会保険・労働保険・労働法等についての備忘録です。 各種書式、各種手続や法令解釈等について解説しています。

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